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VOL.40「親から子供への虫歯感染(垂直感染)」

  • 院長コラム

母親にむし歯が多いと子供もむし歯になりやすいと言われていますが、本当でしょうか?
 むし歯の原因は周知のとおりミュータンス菌等のむし歯と、各個人の持っている宿主防御機構(むし歯になりやすいか、なりにくいかの体の免疫機能)と生活をとり囲む環境から成り立っています。そのため母親、すなわち、生活をともにする保護者から子供への感染は十分に考えられます。

■むし歯菌は「垂直感染」?
 
 親から子供へと感染することを垂直感染といいます。
それに対して、夫婦間や友達同士で感染する場合を水平感染といいます。
 むし歯菌は、母親から子供えと感染する垂直感染でよく例にあげられます。
一般的に人の口の中には約500種類の細菌が存在していますが、この中で善玉といわれる細菌は口の中へ悪い菌が入り込むとそれを食べるなどして、口の中の環境を整えようとしてくれます。
 一方、悪玉といわれる菌の1つであるむし歯菌は、糖分を食べてプラーク(歯垢)を作り、これが出す酸によって歯という硬い組織を溶かし、むし歯になります。
このむし歯ははじめの頃は歯の色が白濁色や黒褐色を呈する程度ですが、放っておくと次第に溶けて穴があきます。そこに食べ物が詰まったりすると、痛みを感じるようになり、最終的には歯髄(神経)まで侵されてしまいます。
むし歯はミュータンス菌等による感染症なのです。

■子供に噛んであげた食片と一緒にむし歯も・・・
 
 では、「いつ、どこで」むし歯の感染するのでしょうか?
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中にはむし歯菌はいません。ミュータンス菌は、歯などの硬い組織に付着するのが得意な細菌で、乳歯の生え始まる頃から感染します。これは離乳食がはじまり、母親が自分のスプーンで食べさせたりする日常生活から起こってきます。
 つまり、母親の口の中が汚れていて、母親が子供に食べやすいように噛んだ食片を与えたりすると、むし歯菌も同時に与えることになります。むし歯菌はいったん定着すると、非常に頑固に口の中に住みつくため、歯ブラシだけの清掃では取り除くことが困難な場合があります。
その際には、歯面をきれいに清掃し、フツ化物を添付したりしています。
 子供のむし歯の治療では、「歯磨きをよくする」「甘いお菓子やジュースは続けて飲まないように」などといわれていますが、子供自身だけでなく、母親も自分自信の口の中をきれいに心がけることが大切です。
 母親から子供への食べ物を介してのスキンシップは大変重要なことです。きれいな口での介入が望まれます。
 少子高齢社会が進んでますが、子供を甘やかしすぎて食生活が偏ってたりするのを防ぎ、毎日の生活の中で規則正しい生活習慣を作り上げることが、母子共にむし歯予防への道となります。

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