Vol.22 「歯ぎしりの原因は?」
- 院長コラム
子供の歯ぎしりは、加齢変化というより、むしろ歯の成長過程に起こるかみ合わせのアンバランスが原因といえます。
歯の生える成長期に多く見られ、かみ合わせるときに不都合な部分を、睡眠中に無意識のうちにすりへらして、都合のよいかみ合わせにするためと思われます。
次々と新しい歯の生えてくる成長期の歯ぎしりは、さほど気にしなくてもいいと思います。
特に乳児期の歯ぎしりは、顎を鍛えて、正常な位置への誘導とつながり、
成長とともに治まることが多いようです。
大人の歯ぎしりは、かみ合わせやストレスとも関係があると言われていますが、まだ原因ははっきりしません。
ものをかむとき、歯は垂直に動いているわけではありません。
牛が草を食べている姿を想像して下さい。
斜め下から円を描くような下顎の動きが思い浮かぶでしょう。
人間も同じような動きで食事をしています。
歯はものをかむのに都合がよいように、尖った部分とくぼんだ部分があって、まずとがったところ同士があたって滑るような感じでくぼみに移動していきます。
その滑りを阻害するような部分があれば、「もっと気持ちよく食事をしたい」という無意識の欲望が眠っている間に現れて、“滑りを阻害している部分をすりへらそう”とするのが歯ぎしりです。
上の歯と下の歯とのかみ合わせによって生じる摩耗面のことを、「ファセット」と呼びます。
歯ぎしりによってできたファセットを見つけだし、これを削ることで治まることもあります。